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夫の収入で暮らしを営むことを基本とし、妻が仕事を持つ場合は非課税、保険料非負担の範囲内で、ささやかに働くこのような、新・性別役割分担を維持する善″が、日本では制度的に確立している。
とくに一定の年収以内なら社会保険料を負担しなくてもいいという″装置″は、すでに既得権としてそれを享受してきた家庭のみならず、労使折半を免れてきた企業にとってもメリットがあった。
既得権を取り上げようとすれば、双方の反発を招くのは当然である。
日本フードサービス協会がおこなった調査でも、会員企業で働くパートタイマーの八割強が、社会保険に加入したくないと答えているという。
理由は実質的な手取りが減少する、将来の(公的年金の)支給があてにならない、取りやすい人から取るのは反対などである。
とはいえ、本当にこのまま放置しておいていいのかどうか。
第二号被保険者(サラリーマンや公務員)の配偶者で、その収入で生計を維持する人を、第三号被保険者と呼ぶ。
年収が一三○万円未満の人も、同保険者である。
第三号被保険者は、本人は保険料を負担しない。
老後の年金は、年金制度が面倒をみてくれる。
その結果生じる問題点の一つが、配偶者(現実には女性)の就労に抑制的に働くことである。
年収が一三○万円を超えようとする段階になると、休みを取ったりして、みずから就そのことが、女性がいつまでたっても労働力として男性と肩を並べることができない一因になっているという批判は、以前からくりかえし、なされてきたことである。
だが五年ごとにおこなわれる年金改正の議論のなかで、この問題は毎回岨上に上るものの、いつも先送りになってきた。
ことに政治家は、選挙のとき、第三号被保険者である専業主婦を敵にまわしたくないという思惑もあって、決着するのをためらいがちだ。
目先の利益にとらわれるのか、あるいは先を見通しての判断をするのか。
政党によっては国会議員選挙のマニフェストのなかに、二分二乗方式(日本の課税単位は個人単位だが、それを世帯単位にし、夫婦の収入を合算して、その二分の一ずつを夫、妻双方の収入と見なし、課税する方式)の採用を提案するところも現れた。
夫が雇用労働者として働く片働き家庭も、みなし収入にもとづいて、夫婦それぞれが年金保険料を納付したものとする。
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